2007年 05月 16日
「アーティストとして生きる」 |
先日、「アーティストとして生きる」をテーマに、ニューヨーク
ロックフェラーセンターにある日系ヘアーサロンのスタッフの皆様
と討論会を開きました。
ジャンルは違っても同じアーティストとして志を持ち、NYに渡り
今日ここで生きている者同士、大変有意義な時間であったと思います。
そこで話した私の意見を短くまとめてみました。
もちろん意見は個々違うのが人間で、それでよしと思います。
ただ、常に問題意識を持ち、流されず生きることが大切な気がします。
又、討論会によって自分が今まで気付かなかったことを学ぶことができ
ました。
貴重なお時間を頂いたスタッフの皆様に感謝しております。
①人は何故この世に生まれたか?
人には必ず生まれて来た理由があり、その役割をはたすために生きる。
例えば絵描きを選んだ私にとって絵は伝達の手段であり目的ではない。
絵の先に自分が伝えるべき哲学やメッセージが必要。
生涯かけてそれが何かを探し続けることは、自分を磨き続けることである。
具体的に一人旅も自分磨きのひとつだと考えている。
②職人とアーティストの違い
一言で言えば、職人は技、アーティストには魂が必要と言いたいが、
これは比率が違うだけで職人にもアーティストにも両方が必要である。
ただ、技は本気で毎日続ければある程度の経験で付く、しかし魂は
意識の問題で上記①でも書いたように自分磨きを続けることが必要。
これを怠ると、魂は技と違い一日で消えてしまう。
消えた魂はそう簡単には戻らない、自分の魂を大切に生きたい。
③自分にとってプロフェッショナルとは?
エキスパートと違い、それでお金を稼ぐこと。
お金を受け取る以上、下記のことが絶対条件と思う。
*自分に妥協しない。
*言い訳をしない。
*出来ないことには“NO”と言える。
*一日24時間、一年365日そのことを考えていられる。
*自分に絶対的な自信とプライドを持つ。
*そして、続けること。
④アーティストの社会への役割
アーティストは社会にメッセージを発信し続けることによって
社会に様々な問題意識を問いかける。
歴史を見ても、国が栄える裏には必ずアートが存在した。
アートは人の心を癒し、豊かにして想像力を高める。
アートはなくても生きてはいける、しかしアートとは人が
持って生まれた本能である。
人とアートは切れない仲だと思う。
⑤自分にとって成功とは?
これは誰もが持つテーマだろう。
子供の頃はハリウッドの映画のイメージが成功でした。
しかし背負うものが増えた今は、守るべきものたちを幸せに
することなど、小さくても自分にとっては成功のひとつである。
ただ、今はひたすらこの世の中に絵という手段でメッセージを
発信していきたいと思う。
その結果としてより多くの人たちが自分の作品で幸を感じて
もらえたら、それはまたより大きな成功へとつながる。
⑥今後の目標とは ?
昨年は自分を見失いそうになっていた。
八方塞で、それを打開するために始めたブログで自分の
活動範囲が広がりつつある。
また今後10年でヨーロッパ10カ国の「風」をテーマに描き
続ける予定。
今回、何人かのご協力を得て、無事にパリでのスケッチ旅行を
終えることができました。
私が人生の岐路で出会えた大切な人たちです。
たくさんのスケッチを整理しながら、パリで感じたメモをもとに
一言のメッセージを添え、投稿を続けています。
今回の旅で気付いたことは毎日スケッチブックを片手に歩き続け、
五感の全てでパリの風を感じましたが、目で見た記憶よりも
足の裏が石畳のひとつひとつ全てを記憶している気がします。
頭より体で感じ取る大切さを知る旅となりました。
これからも「PARISの風」は更新が続きます…
by nykazustudio
| 2007-05-16 10:59